「良い夫であり、良い父であることが人生で一番大事なこと」と話してくれたCurtis。人生のホームとなる家庭を一番に考えつつも、仕事ではディレクターとしてチームをまとめ中。
安定感のあるライフワークバランスの秘訣は、ホームを大切にすることのようにも思えます。
…でも。文化的にはややこしめな日本の暮らし。大変なことはないのかなー?🤔後編では、あえて日本を選び続ける理由や子どもたちが向き合う日本社会についても聞きました。
Curtisのインタビュー(前編) → こちら
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ー Curtisは今、ディレクターという立場でチームをまとめる立場でもあるわけだけど、日本人スタッフと働く時に感じる「難しさ」はある?
何かを話し合う時に「日本では○○だから」と言う人が多いことかな。「日本では○○」という言い方は、自分の意見を匿名にしているよね。それでは生産的な議論が成り立たない。
そうではなくて「自分はこう思う」と、自分の意見として発言してほしいな。
ー まさにそれってsiesta magazineがテーマにしている、日本社会に漂う「〜すべき」 のことだね。「匿名で意見を押しつけているように感じる」というのは外国人ならではの発想で面白い。
ところで、Curtisの子ども達はあえて日本の公立小学校に通っているよね。東京では、子どもをインターナショナルスクールに通わせる外国人の親が多いイメージなんだけど、何かこだわりがあるの?
僕のまわりの友人たちも、子どもをインターナショナルスクールに通わせる親が多いよ。うちも幼稚園はインターナショナルスクールにしたんだけど、小学校は日本の公立学校にしようと決めた。
主な理由は、日本の社会教育(ソーシャル・エデュケーション)のためかな。栄養バランスを考えた給食が出たり、みんなで掃除をしたり…。そういう習慣は日本ならでは。
特にうちは家庭内では英語で話しているから、思考も英語化しがち。子どもたちには自分のルーツでもある日本について、学校で社会勉強をしてもらいたいと思ってるんだ。
子どもたちが通っている小学校は、1学年に2クラスほど(編集者注:都内は子どもが少ない)。先生が生徒を細かくケアしてくれていて素晴らしいよ。
運動会にも積極参加🔥
学業面でいうと、正直なところ、インターナショナルスクールの方がちょっと高度なことを学べるみたい。でも我が家の方針は「頑張ること(Hardwork)から得られることを学んで欲しい」ということなんだ。
世の中では「頑張ること=テスト勉強」と思われがちだけど、僕たちはもっと多面的で良いんじゃないかと思うんだよね。スポーツでもアートでも、何か打ち込めることを一生懸命頑張って、子どもたちには努力の後の達成感を学んでほしい。
ー 素晴らしい👏👏👏 私もひしひしと感じるけど、テストの点数が人生の満足度と直結しないことの方が世の中多いんじゃないかな(笑)
ちなみに、日本の学校で物足りないなーということはある?
ちょっとアートやクリエイティブな事が足りない気がしているから、子どもたちには放課後にスポーツやアート教室に通わせてるよ。
娘はバレエ、ピアノ、ヒップホップダンスとアート教室、息子は2つのサッカーチームとピアノに通ってて。子どもたちに何がしたいか聞いて、親ではなくて子どもが自分で選んだテーマで習い事をしているよ。自分を表現する練習にもなっていいね。
ー たしかに、日本の学校はクリエイティブなことがちょっと弱いかも…。放課後の習い事でフォローするのは良いアイディアだね💡💡💡
ちなみにアメリカ人と日本人のMIXということで、子どもたちが何か困った場面はある?
難しい問題なんだけど、「違う」ということを「属していない」という意味に捉える人が残念ながらいることかな…
僕の子どもたちは日本で生まれ育って、日本の教育も受けている。そういう点では他の日本の子どもたちとあまり変わりないはずだけど、「属していない」というようなジャッジを受けてしまうと悲しくなるよね。
僕らは日本のことが大好きなんだけど。
ー 今は国際結婚も増えているから、そういうことに気づける人が日本にも増えるといいね。心無い発言をしてしまう背景には、なんとなく口にした言葉が他人を傷つけていることを「単純に知らない」人も多いんだと思うんだけど…。こういう記事を通じて、少しでも知ってくれる人が増えたらいいな。
日本は長期的に住みづらいと感じる人も多いみたいだけど、今後、海外移住とかは考えてる?
以前は、ハワイに移住するのもいいなーとか思っていたんだけど、今はずっと日本で良いんじゃないかと思ってる。移住の下見のつもりで東南アジアとかにも遊びに行ったけど、結局日本が一番いいなってなった。
妻は完全なバイリンガルで英語も上手だから語学的な問題はないんだけど、一番の理由は生活面かな。
日本は街が綺麗だし、人も丁寧だし… あと大好きな山もあるしね!
山登りに行った時に出会う人たちにも本当に癒されてるよ。
日本です。
ー ステレオタイプなアメリカ人って「アメリカがNo.1🔥」みたいなところがあるじゃない。Curtisはそういうのがないよね。どこからそうなったの?
たぶん子どもの頃から引っ越しが多かったからかな。アメリカのVirginia Beachで生まれたんだけど、そこに住んでいたのは3歳までで、それからピッツバーグやLAに住んだりしてて。
どこも住んでいる人のタイプやカルチャーが全然違う都市だった。だから、自然と「違い」に興味を持ってオープンマインドになったんだと思うよ。
「こうあるべき」みたいな考えが少ないまま日本に来たから、日本のカルチャーも自分に馴染んだと思う。日本に来てからも「周囲との調和」を自分なりに大事にしてるよ。
あとは、趣味の山登りも大きいよ。山登りの途中で出会う日本の人たちは、今住んでる東京とは全然違うマインドの人も多いし、日本の文化を深く知るきっかけになったよ。山登りでは、普段の仕事や住んでいる場所は関係なく、純粋に人として接する事ができるのが素晴らしい。
ー なるほど‼️siesta magazineでインタビューさせてもらった人たちも、移動の多い人生を送っている人がなぜか多いよ(さっちゃん & Juli)。国籍も育った背景も違うのに、共通点💡
最後に、Curtisにとって人生で欠かせないものってどんなこと?
一言で表すのは難しいんだけど… 家族、チーム(= 会社のメンバー)、そしてLOVEかな。
家族は僕の人生の基盤だし、仕事の上でのチームもそう。支えてくれて本当に感謝してるよ。あとは、広い心でのLOVE。人生で出会う人、すれ違う人… あらゆる人にLOVEの精神を持って接し、相手を受け入れ、手助けすることが人生を豊かにすると思うんだよね。
何事も、LOVE Firstで考えるのが好きだな。
そして父は今日も頑張る。
めっちゃ素晴らしい〜!色々なLOVE💘のカタチについて改めて考えさせられました。
やっぱりインタビューは学びが深いな〜。Curtis、色々話をきかせてくれてどうもありがとう😊
週末の山登りが本当に大好きなCurtis。家族と一緒に日本の色々な地方で山登りも計画してるみたい。もしCurtisファミリーを見かけたら話しかけてみてね😊👋
その他、Curtisのストーリーは
Photo provided by Curtis
Text by Natsuko