山登りに来て、そのまま日本に16年。安定感の秘訣を語る(前編)

Curtis

Curtis(カーティス)

職業:平日 会社員 / 週末 アウトドアの人

年齢:43歳

出身地とその後:アメリカのバージニア・ビーチ → ピッツバーグ → LA  → 少し寄り道 → 甲府

現在の住まい:甲府からの東京(16年目)


 

海外からやってきた人にとって、「3年住めたら凄い」といわれている日本移住。その理由は、日本文化の「特殊性」「閉塞感」に疲れ切ってしまう人が多いから。


海外から日本にやって来た友人たちからも、ため息混じりに同様の体験談を数えきれないほど聞いてきました。


精神的疲労 vs. 人生におけるメリットを考えた時に、「あ。もう日本いいです」「別の国の方が自分らしく暮らせそう」となり、3年以内に日本にサヨナラ👋 していく人が多かった…🥲

海外から日本に引っ越すという国際的な動きができる人にとっては、選択肢は日本だけじゃない場合が多いし…。


ちなみに、こういった感覚は外国人だけでなく日本人にも広がっているようで、日本人の海外永住者は年々増えているみたい…朝日新聞より)


そんな中! 旧友のCurtisは16年も日本に住んでます。


「なんとなく」では長期に住み続けることが難しい日本社会の中で、サバイブしている理由やこれからのことも聞きました。

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ー 改めて今日はありがとー😊‼️ siesta magazineは地方在住の読者も多いから、みんなに分かるように聞いていくね。Curtisはどんなきっかけで日本に来たの?


ふらっと山登りに来たのがきっかけだよ。そしたら日本が気に入っちゃって、そのまま今に至る(笑)

 

山登り

ー へー!たしかに日本には素敵な山がたくさんあるよね。以前から山登りが趣味だったの?


いや、実はアメリカではちゃんとした登山の経験はなくて。周りの友人から、日本には綺麗な山があるってウワサを聞いて気になってたんだ。


実際に山登りに来てみたら、ハマっちゃって。それから日本に本格的に引っ越した。


2004年の富士山から始まって、北岳(3193m)、槍ヶ岳(3180m)とか… 日本100名山のうち、これまでに25くらいは登ったかな。福岡、仙台、秋田、長野、山梨、屋久島とか色々行ったよ。

 

 穂高岳

穂高岳(3190m)



ー おー!すごいバラエティ。アメリカじゃなくて、いきなり日本で登山を始めたんだね。なんでまた?


LAにある大学を卒業してから、アメリカの会社でサラリーマンになったんだけど、成果、成果…と追い立てられるような極端な働き方で。ある所まできた時に、疲れ切っちゃったんだ。


それで、気分転換に日本に山登りに来たんだよ。それが26歳の時。


山から見える景色は雄大だし、山登りする仲間たちとのチームワークもいいね。大きな山に登る時は楽じゃないけど、お互いを励まし合って乗り越えるのが好き。

あとは道中で出会う人たちも日常生活では知り合わないような人も多いし… 現実離れした世界へ入り込めるのが、すごく良い気晴らしになる。

 

山 キノコ

山で見る、こんな景色も神秘的だよね…


ー そうだったんだー!たしかにアメリカは強烈な成果主義だよね。成果がでなかったり、気に入らないだけでもすぐクビにしちゃうし…。お疲れさま。

 

今の東京での暮らしはどんな感じ?日々の過ごし方を教えて。


オフィスには朝8時半に出勤して、夜は7時か7時半くらいに退社する。オフィスまでは家から歩いて通ってるよ👞 通勤時間は20〜30分くらいかな。


朝は5時か5時半くらいに起きて、1時間くらい家の近所をランニングしてる。週末は赤羽〜川越とか、新しい場所を走るのも好きだよ。海沿いを走ろうと思って、よく下調べせずに鵠沼〜小田原にチャレンジした時は失敗した。 ← 編集者注:電車で行く距離です(笑)


ランニングしない朝は読書もするよ。特に、出勤前に子どもたちと過ごす時間が最高なんだ。8歳の娘と7歳の息子が日々の生活で疑問に思ったことに答えたり、一緒に本を読んだり。

 

朝食

きゅん。

 

そうやって家族との時間を過ごしてから、会社に向かうよ。子どもが幼稚園に通っていた頃は、朝の送迎も僕がやってたよ。

 

朝の送迎

朝の送迎。


ー 出勤前の家族時間、いいね!👍 上手にライフワークバランスが取れてるね。残業が多くて、プライベートの時間が取りにくいという人も日本には多いんだけど、Curtisはどうやって仕事のバランスを取ってるの?


そうだね…。正直にいうと、その日のうちに終わらないタスクもあるよ。でも、ポイントや重要度を見極めて、今日でなくてもよい仕事は無理にその日に終わらせようとしない。それが仕事の成果を出しつつ、ライフワークバランスをとるコツかな。


僕は「良い夫」であり「良い父」であることが人生で一番大事なことだと思ってる。だから、それを実現できるようにバランスを取ってる感じだよ。

 

family

ファミリー第一!


ー おお👍👍 何をするにしても、家族は基盤だもんね。家族がぐらつくと、そこから積み上げる人生もぐらついちゃうし…。ホームを大事にするバランス感覚が、Curtisの安定感につながっているのかもね。

ところで、今の会社はどのくらい働いているの?


13年目だよ。30歳の時に仲間に誘われて、会社立ち上げの時からいるよ。僕の他に、もうひとりアメリカ人とカナダ人、スコットランド人。経営陣は全員外国人だけど、東京で設立したから日本の会社ということになる。たった4人から始まった会社だけど、今では100人を超える従業員がいるんだ。


会社が成長したら仕事が楽になるかなーって思っていたけど、本当の意味で楽になるのはまだ先みたい(笑)


ー 4人から100人!すごい成長したね!! 会社について、みんなにも教えて。


うちの会社の自慢は、女性が働きやすいことなんだ。従業員の6割が女性で、管理職になっている女性もいるよ。子育てと仕事を両立しているスタッフもいる。女性が働きやすい柔軟な環境を作るというのは、創業メンバーで決めたんだ。


従業員の国籍も色々で、日本にある会社だから日本人が一番多いけど、他にも10カ国の人が働いているよ。人材紹介の会社で、中間管理職〜経営層の人に仕事を紹介してるよ。


ー 子育てとキャリアが両立できる会社はまだまだ数が限られているから、働きたい女性にとって嬉しい存在だね。Curtisは今、ディレクターという立場でチームをまとめる立場でもあるわけだけど、日本人スタッフと働く時に感じる「難しさ」はある?

 

山

 

日本人と働く時に感じる「難しさ」。日本を違う目線から見ているからこそわかる、意外な答えがありました。

 

<<後編につづく…😎>>

 

Photo provided by Curtis

Text by Natsuko

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