絵描き、イラストレーター、ライターの3つの軸で活動するJuli Baker and Summer(ジュリ・ベーカー・アンド・サマー)。
誰かの真似ではない、自分らしいライフスタイルの確立が人生の満足度にもつながっている様子。
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ー Juliはとても自分らしいライフスタイルを確立していると感じるんだけど、オリジナルな生き方についてどう思う?
「これは自分の人生で、他の誰のものでもない」と思い出すことは大事だと思う。自分の人生は、親のものでもボーイフレンドのものでも、ましてや社会のものでもない。
人生の選択権は100%自分にある。でも時に、自分に選択の自由があることを忘れがちになるよね。
アーティストとして学んでいる時は、「自分のスタイルを確立しなさい」と教わった。でも私は目指す自分像のために戦うのではなく、もうすでにある自分を受け入れることが大事だと思ってて。
新しいことにチャレンジしたり、試したりすることを恐れないことが大事だと思う。
アートの先生から、「もし少し居心地がわるいと感じても大丈夫。それはあなたが何かを学んでいる証だから」と言われた言葉がすごく心に残っていて、すごく気に入ってる。
良い時も悪い時も受け入れるのが大事なのかなと思ってて。ネガティブな面とも上手に協力していくことが大事なのかなと思ってる。悪いことは避けられないし。
私だけでなく、皆それぞれユニークな人生を送っているよね。自分のやりたいことを実現するために、ちょっと頑固なくらいの方がいいと思ってる。
L'oreal(ロレアル)とのコラボレーション
ー 現在のライフスタイルに行き着いたのはどんな経緯で?
私は典型的なアジア人家庭で育った一人っ子で、とても大切に育てられた。
子どもの頃、今とは違ってとても内気だったの。だからアートや映画に大きな影響を受けた。普段は目にしない、新しい世界を見せてくれるもの。
両親はいつも支えてくれて、私がたとえ間違った方向に進んでしまっても、不安がることはなかった。アジアの家庭としては珍しく、どんな話題も受け入れてくれたよ。
だから、傷ついた日、間違いをした日、どんな時も自分が感じたままを安心して話せる場所があるのはラッキーだった。それで前向きになれたし。
家族とアートが、私に自由に表現する場所を与えてくれた感じかな。
ー 素敵な家族💓 ファッションもJuliの表現のツールとして大事な役割を果たしていると思うんだけど、いつもどうスタイリングしてますか?(これはsiesta magazineの読者からの質問!)
私は60〜70年代のファッションが好きで、音楽や映画、その時代のミューズたちに影響をうけているの。
あとは、両親の影響も大きい。両親は60〜70年代を謳歌した世代だから、子どもの頃から私に60〜70年代の洋服を着せていたの。
カラフルで模様があるものが好きで、more is moreが私のポリシー。less is moreは私には通じない(笑)
*less is more = 少ないほうが豊か。少ないもので豊かに暮らすミニマリストのポリシーを表現する言葉。その対局にマキシマリスト(好きなものや大切なものに囲まれると幸福を感じる人)がいる。
ー 柄物が多いとスタイリングが難しいのでは?
ポイントは「完璧じゃない」こと。いつもちゃんとしてなくていいと思ってて、日によってはやり過ぎだったり、ちょっと面白い組み合わせになってることもあるかも。
手作りのものとか、完璧すぎないものが私にとってパーフェクトなの。
あとは、スローファッションが今とても好きで、大量消費しないようにしてる。洋服をたくさん買うのではなく、母のお下がりを着たり、着なくなったものは古着屋に持っていったり、友達と交換したりしてるよ。
スローファッションって、物を持たないミニマルな人向けと思われがちだけど、私みたいなスタイルの人でもできること。
ー 去年は東京にも来ていたんだよね。
日本には5回くらい来ているんだけど、去年末はAirBnBとのコラボで東京に行ったよ。Airbnbが泊まる場所を手配してくれて、友達と会ったり。あとは新しい仕事のミーティングもあったの!
実は、とある日本の会社とTシャツとハットのコラボの話が進んでて。楽しみにしててね!
高円寺
日本にはすごくいい音楽イベントも多いし、アートシーンや温泉も好きで、いつも楽しい時間を過ごしてる。
ー 日本で音楽イベントにも🥳‼️ 音楽はJuliにとってどんなもの?
音楽は私にとって必要不可欠なもので、いつも聴いてる。人生をよりよくするものだと思う。
毎朝、恋に落ちるような感覚にもなるし、悲しい時は心に寄り添ってくれるし。感情の幅を広げたり、心地よく過ごせたり、あとはエンターテイメントでもあるかな。
音楽は人間が作った物の中で、とてもパワフルなものだと思う。気持ちにじわじわと染み込んでくるよね。
ジャンルは、メタルロックとエレクトロミュージック以外なら基本的に何でも聴くよ。
昔は好きじゃなかったタイポップも最近は聴くようになったかな。
その日の気分に合わせたプレイリストを本当にたくさん持ってるの!
ー その他に、Juliにとってのエッセンシャルは?
自由かな。あとはトラベルジャーナル。旅をしている間、自分の気持ちをノートに書き留めているの。
毎年1冊のジャーナルを書いていて、本当にたくさんあるよ。
読み返すのもとても好き。時に感情的になることもあるけど、人生で一番大切なものかも。
トラベルジャーナルやお気に入りの本が並ぶ自宅の本棚
ー 次のチャレンジはどんなこと?
人生にたくさんチャレンジがあって、正直、あまり未来のことはわからない。
私は「その日その日を満喫するタイプ」と父には言われてる(笑)
強いて言うなら、これから始まる個展はチャレンジだし、日々の生活もチャレンジかな。こういう私の人生がとても気に入ってるよ。
公園でピクニックするのも好き
ー 最後に、Juliおすすめの本を教えて。
All about love : by Bell Hooks
この本は、もっと早く読めばよかったと後悔してる。ロマンチックな形ではなく、大きな定義としての愛について語っている本。
なんでもお金儲けに結びつけてしまう現代の社会構造が、愛の形も変えてしまったという話。抽象的なトピックだけど、すごくわかりやすくて。
“There can be no love without justice” というフレーズがお気に入り。
これって、ロマンティックでもいいし、社会のことにでも適用できるよね。学校では愛することについて教えてくれないし、愛ってイリュージョンみたいなもの。
どうやって愛を伝えるのか、この本で知ることができるよ。
海外に住んでいる、クリエイティブな職業のJuli。
居住地も職業も違う人が多いと思いますが、「自分らしく暮らす」という観点では、日本にいる読者の皆さんにも何かヒントがあったのでは😊💡
Juli、たくさんのインスピレーションをどうもありがとうございました 🥰🥰🥰
【 Juliが早く読んでおけばよかったと思う本 】
Bell Hooks 著
William Morrow Paperbacks 2001年
本が気になる人は → こちら
Photo provided by Juli Baker and Summer
Interview by Natsuko
1件のコメント
記事楽しみにしていました💕Juliへの気になっていた質問を深掘りして頂けて嬉しいです。彼女のmore is moreの軸や完璧じゃなくてもスタイルを楽しむことにとっても共感しました。本を含め彼女の発信に今後ももっとフォローしていきたくなりました。ありがとうございます😊