タイ・バンコク出身のJuli Baker and Summer(ジュリ・ベーカー・アンド・サマー)。
絵描き、イラストレーター、ライターの3つの軸を持つことで、自分らしい生き方を体現しています。
前編は → こちら
でも、タイは言語統制によって表現の自由がなかったり、政治も不安定。表現者が生きる場所としては、なかなかハードな環境なのかも。
PM2.5による大気汚染もどうしようもないくらい深刻化していて、ついに政府が人工的に雨を降らせる化学物質を飛行機で撒くほど。(Yahoo!ニュース 参考記事)
そんな環境で自分のメッセージをアートや本などを通じて発信しながら、企業とのコラボ・ワークでバランスも取っているJuli。
その揺るがないJuliの自分らしさはどこから?
中編では、Juliのルーツについて聞きました😊🎤
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ー Juliのルーツについて教えて。出身は?
バンコクで生まれ育ったよ。今住んでいるのはバンコクのPhatthanakan。市街地から30分くらいの場所で、他のエリアと比べると静かで落ち着いていてとても気に入っている。
ー これまでどんな場所に住んでいたの?
スペイン、日本、デンマークにアーティスト・イン・レジデンスで、ロンドンに交換留学、ベルリンにはインターンシップで住んだよ。アーティスト・イン・レジデンスは3〜4ヶ月で終わることが多いから、それぞれの都市の滞在もそのくらい。
*アーティスト・イン・レジデンス:ある土地(外国が多い)にアーティストを招き、滞在中に作品制作を行うこと。アーティスト版 招待制ワーケーション、に近いかも。
アーティスト・イン・レジデンス(スペイン)
ー 海外に住むことは怖くなかった?
全然!! ホームタウンから出ることはずっと私の夢だったの!
ジプシーみたいにいろんな場所を旅して、新しい人に出会ったり新しい文化を見つけたり。
特に、今のタイの状況は一生を過ごすには理想的じゃないしね。
ー それは、なぜ?
表現の自由がないし(編集者注:タイの言論統制のこと)、政治の状況もすごい残念な感じ。アーティストが成長するための国としては夢が抱きにくくて。
この国の外にあるチャンスを試して、ポジティブなエネルギーを持って活動してみたいとも思ったんだよね。と同時に、もちろん自分の国のためにできるだけのことをすることも大切。でも、どんな人生を選ぶかはその人次第だし、みんな良い人生を送る権利がある。
ー 初めて海外に住んだのはいつ?家族は反対しなかった?
18歳の時がはじめて。交換留学でイギリスに行った。
私は一人っ子だから家族は寂しがったけど、私は頑固だったの。
父はドイツのNGOで海外に住んでいたことがあるから、彼は海外に住むことがどれだけ刺激的でその後の人生に良い影響を与えるか知っていた。
でもやっぱり私が海外にひとりで引っ越すことをとても心配していたよ。
私があまりに頑ななので、今は家族も慣れたみたい。
アーティスト・イン・レジデンス(日本)
ー周りの反対があっても、自分の 意思を貫くことが大事ってことだね。
まさに。
ー Juliは、自分の作品を通してどんな世界を作っている?
女性の社会的立場にとても興味があるから、自分の肌の色や人種、体型に関わらず、どんな女性も美しいと思って欲しいと思ってる。
それをテーマにした絵を描いたり、マガジンを作っていて。これは自分のためだけでなく、次の世代の女性にも伝えていきたいこと。私の作品を見た人たちが自分自身にあてはめて考えてくれるといいな。
色んなプロジェクトが進行しているから、ひとことでまとめるのは大変なんだけど。
ー Juliはオープンマインドな印象があるんだけど、それはどこから?
アジア圏の文化だと思うんだけど…
「こういう人でありなさい」と教えられることが多くて。よい女性になるためには、これをしなさい、あれをしなさいと。
でも成長してメディアを見ると、どんなにやっても十分じゃない。美しくない、痩せてない、ナイスじゃない… すごく悩んだ時期もあった。
一歩引いて考えたら、お金儲けするための社会構造によるところが大きいと気づいたの。(編集者注:不足感を煽って商品を売る社会の構造)
だから、あれをしなさい、これをしなさいと言われたことができない人が悪いわけじゃない。原因は資本主義の社会。
私はアートをしているしフォロワーも多いから、これらを活用して世間にメッセージを伝えられるかなと思ったのが始まり。
ー タイも社会からの「〜すべき」があるんだね。siesta magazineのコンセプトともたくさんの共通点がある。
男女平等の面では日本はまだまだで、男女平等を示すジェンダーギャップ指数は世界で116位だった(タイは79位)。日本は海に囲まれた島国だから、社会の「〜すべき」も強いし🥲
Juliのストーリーが、日本の読者の参考にもなるといいな。
ところで、Juliの毎日の習慣(デイリールーティーン)は何かある?
私にはルーティーンがなくて。ルーティーン嫌いだから、今のようなフリーランスになった。
3月にソロ展示会をするから、今は少しだけルーティーンがある。
朝起きたら、コーヒーを飲んで、スタジオに行ってペイントする。もし天気が良くて、友達も時間があれば一緒にご飯を食べに出かけたり。そんな感じかな。
できるだけ週2〜3日の休みを作るようにしてるよ。忙しい時は毎日働いちゃう時もあるんだけど。
ー お休みはどう過ごす?
できるだけ旅するようにしてるよ。
バンコクにいたら、公園にいってピクニックするのも好き。
あとは居酒屋が好き!!日本の居酒屋がたくさん集まっているPhrom Phongというエリアがバンコク市内にあるの。実は明日もそこへ行く予定(笑)
居酒屋好きなJuli
好きなメニューは、ナスと明太子。明太子が入っていたらなんでも好き。
ー タイでも明太子が食べれるのだね😳‼️
今はけっこうどこにでもあるよー。
ー 旅行中はどんなふうに過ごしてる?
フリーマーケットに行ったり、アートギャラリーに行ったり、ただ街を歩き回るのが好き。
その時のひらめきで動くのが好きかなー。
あとは旅先で音楽イベントやワークショップを見つけて参加したりもしてる。
デンマークでは自転車も乗ったり。
ー Juliはとても自分らしいライフスタイルを確立していると感じるんだけど、オリジナルな生き方をしていることについてどう思う?
後編に続く…
Juli の個展🥳🎉
Juli Baker and Summer Solo Exhibition
"She's too much"
2023年3月16日〜4月16日
@River City Bangkok → ココ!
Photo provided by Juli(@julibakerandsummer)
Interview by Natsuko